陰陽師 安部晴明
見固めの術
「身固(みがため)」とは、天皇、公家や将軍、貴族に施されたもので、いわばその方々を悪、邪、鬼、呪詛等より守るものとして、符、印と咒により見えないバリアを施し、四神相応及び刀印の力を施すもので、陰陽道独自の術となる。
呪術的な防護をめぐらし、心身の不調や病気などを防ぐ加持法の一種です。毒や病気、心身に不調をもたらす呪術などへの抵抗に失敗した際、その失敗度が「修得段階」までであった場合、一度だけそうした悪影響を打ち消します。
神社やお寺にて厄除けのご祈祷をされるものに似ており、あるいは密教では神仏を勧請し加持祈祷をするが、その時にもこれに似た護身法を行っている。
道教のやり方のひとつでは、自分の内臓を一個一個意識して瞑想する。
心臓のとこにね、あるものを込めた霊符、呪符を当てて、簡易的な結界なんだけど。自分にかけるようにします。
これは誰でも普通の人なら、術の知識なくても出来ます。
そのかざした霊符から発する気を心臓に送るようにすると、心臓では全身に血をめぐらせるポンプなのですので、
血流を通じて全身に霊符のお力が周るのです。
ちなみに霊符、呪符なくても念やブレスではれるように術を込めても効き目がありますよ。
頭痛や軽い霊症などは取れますよ。身体も楽になりますよ。
私のところでも御守り欲しい方沢山連絡ありますので、御守り、特別護符などを求められるようにします。
祈念したら護符は願い事が叶うなど、効き目大きいので驚きますよ。
見固めの術とは、呪いをかけられた人をその呪いから守るために保護する呪術である。成功すれば逆に呪いが跳ね返されて呪った者を殺してしまう威力を持つという。
ある日、晴明は朝廷内で式神と思われるカラスに若い貴族が呪いをかけられたのを見つける。
このままではその貴族の命が危ないと察した晴明は彼を一晩中抱き、呪文を唱えつづけて守り抜く、その呪いは式神を飛ばして貴族の命を狙ったものだったが、この晴明の見固めの術により式神は送り返され、貴族を狙った者は逆にその式神により命を絶たれたのである。
このとき晴明は貴族を守りながら、小さな声で呪文を唱えていたというが、その呪文がどのようなものであったかは明記されていない。
見固めという呪術の本来の目的は、外部からの霊的な影響力を遮断するためのものではなく、自分の身体から遊離しそうな魂を身体から出さねようにするために行われる。もしも魂が完全に身体から遊離してしまえば死んでしまうと考えられていたのである。この術は宮中でも行われており、毎年正月に天皇の前で胸に九字(四縦五横)を切り、それから左右の手のひらに符を書くなどの作法が施されていたという。
ここでいう九字とは修験道でも使われる『臨、兵、闘、者、皆、陳、烈、在、前』(りん、びょう、とう、しゃ、かい、ちん、れつ、ざい、ぜん)と同じで護身の法として使われるものであるが、陰陽道ではこれをドーマンと呼び、霊符として使ったり、『朱雀、玄武、白虎、匂陳、南斗、北斗、三台、玉女、青龍』という唱え方をしていたと言われる。
式神使役術(しきがみしえきじゅつ)
式神とは晴明の伝説の中で最も多く登場する霊的な存在である。人間の目にはよく童子の姿で見られるが、鬼のような姿をしているものもある。
安部晴明の使役した式神は十二神将といわれ、晴明は式神に常に身の回りの世話をさせていたと伝わっている。しかし、晴明の妻はその式神の恐ろしい形相に耐え切れず、仕方なく晴明は式神を一条戻り橋の下に隠していたという。
やり方は、契約状態にある悪魔1体を召喚していきます。このとき償物紙を1枚使用することで、悪魔に人や動物の形を取らせることができます。
髪の毛や体の一部が手に入れば、償物紙と合わせて特定の人物にそっくりに変身させることも可能です。悪魔が悪魔としての能力を使うとこの変身は解除され、元の姿に戻ってしまいます。
陰陽道に関する知識を持つものは、視覚判定による即決勝負でこの呪術のレベルに勝つことで、それが式神であることを見抜くことができます。
式神の式とは、占術の際に使用される式盤(ちょくばん)の式であり、安部晴明は、この盤に刻まれた天一(てんいつ)、騰蛇(とうだ)、朱雀(すざく)、六合(りくごう)、匂陳(こうじん)、青龍(せいりゅう)、天空(てんくう)、白獣(はくじゅう)、大裳(たいじょう)、玄武(げんぶ)、太陰(たいいん)、天后(てんごう)という十二神を式神として使役していたのである。
修験道でも式神を使う術があるが、式神という呼び名ではなく、護法童子(ごほうどうじ)と呼んでいたという。
式神は直接使役するほかにも、紙や草などを形代(かたしろ)にして式神を乗り移らせてから使役する術もある。晴明が紙を鳥の姿に祈ってから呪文を唱えて空に投げると紙はたちまち白鷺と化して飛んでいったという。
また、僧侶や公家たちに式神の威力を一目見たいと懇願された晴明は、草を一つまみして蛙に乗せたところ、一瞬にして蛙が潰れてしまったという話が、『今昔物語集』などに記されている。
ここでいう安部晴明の使役していた式神の十二神将は、薬師如来様を御守りしている護法の神々の十二神将様達とは全く違う神様であります。
御法童子使役術(ごほうどうじしえきじゅつ)
先にもふれたが、晴明の操った式神は童子の姿をしていたとの伝承がある。
修験道では式神使役法として『護法童子』(ごほうどうじ)と呼ばれるものがある。童子とは少年という意味と、仕えるという意味がある。
この式神は主に神仏の眷属としての精霊であり、修験道では『大聖乙護天秘法』という呪術を使い式神を使役することが出来ると云われている。
「カラリンチョウカラリンソワカ」という呪文を唱え、東西南北に五鈷印(ごこいん)をもって式神を招くという。
正式な召喚法としてはまず、
「中央五万五千乙護法、唯今行じ奉る。金達龍王(きんだつりゅうおう)、賢達龍王(けんだつりゅうおう)、阿那婆達多龍王(あなばだったりゅうおう)、徳叉迦龍王(とくしゃかりゅうおう)等、
総じては諸仏薩唾(しょぶつさった)、本誓悲願を捨てたまわず、仏子某甲諸願哀愍納受、七難即滅七福即生火難水難風難病難口舌難執着難怨心難怨敵難呪詛難盗難年難月難厄難日難時難中夭難等、諸有障碍災難即疾消除し諸願成就したまえ」
と祈念し、次に
「オン・ウカヤポダヤダルマシキビヤク・ソワカ」
という真言を唱え、飛行自在印を結ぶやり方がある。
この護法童子法の威力を示す伝承がある。
平安時代に抜群の験力の保持者で名高い浄蔵(じょうぞう)という人がいた。この人の父は三好清行(みよしきよゆき)という文章博士で、かの菅原道真と並ぶ学者である。浄蔵は幼いころから仏道を志したが、父には猛反対され、しかたなく庭の梅の木を護法童子に折らせるという術を披露したという。その後、修業の道に入り、熊野や金峯山(きんぽうざん)で修業、陰陽道の天文や易占いまで修得して大法師になった。
また、晴明が式神を隠していたという京の一条戻り橋の名前は、この浄蔵の験力からついたものだという説もある。
山の修行から都に浄蔵が帰る途中、橋の近くで盛大な葬列に出くわし、誰の葬儀かと聞けば三好清行、つまり、自分の父のであると分かった。驚いた浄蔵が急いで経を唱えると、死んだはずの清行が息を吹き返して周囲が大騒ぎになった。死んだはずの父をこの世に戻したということで、この橋が戻り橋と命名されたというのである。
この浄蔵の験力に対してライバル心を燃やした者に比叡山の修入(しゅうにゅう)という僧がいた。ある日、二人の験力比べが行われることになった。まず、浄蔵が護法童子法を使い式神を召喚し石の中に入れた。するとたちまち石は浮遊し、毬(まり)のように飛び跳ね始めた。それを見た修入は、「うるさい石だ」といい経を唱えると、石は再び地に落ちた。
そこで今度は両者が同時に呪文を唱えると石は小刻みに揺れ動き、そのうち真二つに割れてしまった。その験力のすごさに周囲の者は感動し、涙を流すものもいたと伝えられている。
撫物(なでもの)の術
人型に折った「償物紙」を対象の体に擦りつけ、悪気を吸い取ります。
呪術判定に成功することで、対象の精神的な不調を取り除くことができます(自然な眠気、怪我による気絶など「精神的な不調」とはみなしません)。
その不調が呪術や「特殊効果」によって引き起こされたものである場合、そうした効果をもたらした者の呪術レベルや意志力との即決勝負に勝たなければなりません。
毒や病気を回復させることもできますが、その場合の呪術判定には、生命力や<医師>技能にかかるものと同じペナルティがあります。
呪術の成功・失敗にかかわらず、使用された償物紙は赤く変色してその力を失います。
解縛法(げばくほう)の術
何かに捉えられた状態にあるものを解き放ちます――ロープの結び目や錠、魔術的な封印などです。
ただし、普通の人間の力によって外すことのできないものには無効です。
また複雑な錠や結び目を解く場合、<鍵開け>や<脱出>にかかるものと同じペナルティがあります。
自分が施した束縛であれば、どれだけ離れていてもまったくペナルティを受けることなく解除することができます。
物精戯在(ぶっしょうぎざい)の術
花や枝、葉などを使い、小動物やある程度の大きさ(5cm程度)の虫などを生み出します。
この呪術の素材となるのは「精」、すなわち「生」のあるものでなければならないため、枯れ葉や紙切れなどを使用することはできません。償物紙だけは例外的に使用することができます。
生み出された生き物は術者の思ったとおりに行動し、軽く意識を向けることで感覚を共有することができます。
物精変化(ぶつしょうへんげ)の術
「物精戯在」と同様に、物精に人の姿をとらせて式神として用いることができます。
この式神の霊格は術者と同じで能力値は8+術者の「修得段階」、剥離装甲はヒットポイントの「修得段階/2」倍です。人並の知性と常識を持ち、自動車の運転程度の作業もこなしますが、仮の命である彼らは死を恐れたりすることはなく、社会的な倫理や禁忌にも囚われない存在です。
持続時間が過ぎるかヒットポイントをすべて失うと、彼らは元の姿に戻ります。その後以前と同じ樹からもいだ葉を用いるなど、術の元となる「精」を同じものから取れば、以前使役されたときの記憶を継続することができます。
「物精戯在」とは異なり、このタイプの式神と感覚を共有することはできません。
やはり陰陽道に関する知識を持つものは、視覚判定による即決勝負でこの呪術のレベルに勝つことで、彼らが作られた生命であることを見抜くことができます。
封殺(ふうさつ) の術
償物紙1枚を用い、その中に悪魔や霊体を封印します。
紙が破られたり、燃やされたりすると悪魔はふたたび解放されます。
完全な肉体を持つ悪魔、造魔、悪魔人などに対しては無効です。また、術者の霊格以下の悪魔に対してしか効果がありません。
四角四境の祭り(しかくしきょうのまつり)の術
「四角四堺鬼気御祭(しかくしかいききぎょさい)」と呼ばれる儀式による都市や国家を清め守る結界法を、家や土地などを守るために略式化した呪術です。
この呪術の範囲は、悪魔にとってまったく興味を惹かない場所になります。積極的にその場に入っていこうとしたり、内部にいるものを探していたりするなら、意志力と呪術レベルで即決勝負を行ってください。悪魔が結界の内部に侵入すると、術者はそれを察知します。これにより、結界そのものが影響を受けることはありません。
この呪術には、4枚の償物紙が必要です。屋内ならば壁に貼り、屋外であれば枝や竹の棒に人形を差して床や地面に立てたり、四方に巡らせた横糸に吊るして使用します。
結界内にいるものが外の悪魔を呼び込んだり、内部から外へ攻撃をしかけたりすると、結界はただちに壊れてしまいます。
五行相拝(ごぎょうそうはい)の術
「木火土金水(きひづかみ)の神霊(かむたま)、厳(いづ)の御霊を幸い給え」の「五行拝詞(ごぎょうはいのことば)」をもって五行の神を祀り、範囲内における五行(木火土金水)いずれかの働きを完全に無効化してしまいます。以下からひとつを選んでください。
木行:木製の武器や矢
火行:火、温熱
土行:投げ飛ばしや落下、激突などによる地面との激しい衝突
金行:金属製の武器や弾丸
水行:水、冷気、電気
そのダメージが属性が複数の属性を持つものであるような場合、半分のダメージを受けるとしておけばいいでしょう。術者の「霊格」以上の攻撃に対しては、この呪術はまったく効果を発揮しません。