大山祇神社
愛媛県
大山祇神社(おおやまづみじんじゃ)神の武器コレクションを納めた、瀬戸内海に浮かぶ宝島。瀬戸内海の中央に浮かぶ、大三島に鎮座する神社。日本一をうたわれる樹齢二千六百年のクスノキや、力士が見えない相手と相撲をとる神事。『ひとり相撲』など、名物が多い。
祭神の大山積神(おおやまつみのかみ)は、古くから船乗りたちに海の神さまとして崇められてきたが、本来はその名が示す通り、山の神さまである。和多志大神(わたしのおおかみ)という異名が、航海を意味する『渡し』に通じることから、海も司ることになったらしい。
源氏、北条氏、足利氏など、歴代の武家が海戦のたびにここで勝利を祈願し、戦勝後には感謝のあかしとして戦利品などを奉納し続けたため、境内の宝物館には膨大な数の兜、甲冑、刀剣類が所蔵されている。国宝や重要文化財に指定されているものも二百点以上。大三島はまさに『国宝の島』である。(愛媛県今治市)
祭神 大山積神(おおやまつみのかみ)
ご利益 山林鉱山守護 航海安全 折雨祈祷
福岡県
宗像大社(むなかたたいしゃ)玄界灘に住まう海の美人三姉妹と、その宝物庫。日本海の玄界灘を望む海岸に、市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)を祀る『辺津宮・へつみや』が鎮座し、そこから十二キロ沖合に浮かぶ筑前大島に、湍津姫神(たぎつひめのみこと)を祀る『中津宮』がある。さらに五十キロほど沖へ進むと沖ノ島に行きつき、ここには田心姫神(たごりのひめのかみ)を祀る『沖津宮』が建つ。宗像大社とはこの三つの宮の総称である。
そして、前述の宗像三女神(天照大神の娘)を祀った宗像神社の本拠地なのだ。
沖ノ島は島全体がご神体で、近年、十万点を超える古代の祭具や宝物が出土した。そのすべてが国宝・重要文化財に指定されたことから、『海の正倉院』とも呼ばれる。島の原始林もまた、天然記念物である。
三宮を管理する社務所は辺津宮に置かれ、ここには沖ノ島の国宝を納めた『神宝館・じんぽうかん』、古代の祭事場の姿を残す『高宮祭場』などがある。(福岡県宗像市)
祭神 市杵島姫命(いちきしまひめのみこと) 湍津姫神(たぎつひめのみこと)
田心姫神(たごりのひめのかみ)
ご利益 海上安全 交通安全 豊漁
福岡県
太宰府天満宮(だざいふてんまんぐう) 失意の道真の心を慰めた、梅の花咲く流刑地。
京都府の北野天満宮とならぶ、菅原道真を祀った神社の代表格。学問の神さまで修学旅行のコースに良く選ばれ、境内は受験合格を願う中高生で賑わう。
約十万坪の『天神の森』は、六千本の梅の木が立ち並ぶ梅の名所だ。本殿の左右にも梅の銘木があり、うち一本は、道真を慕って京から飛んできた『飛梅』の子孫といわれる。
北野天満宮といえば、道真の怨霊伝説が有名だが、太宰府天満宮は、どちらかといえば、その伝説には懐疑的だ。大宰府では、道真は失脚後、心穏やかに晩年を過ごし、世を恨んだりはしなかったと伝えられているのである。怨霊伝説の代わりに、彼の遺体を運ぶ牛が、途中で足を止めたという伝説がある。太宰府天満宮は、道真が埋葬されたその場に建てられたとされる。
(福岡県太宰府市)
祭神 菅原道真
ご利益 受験合格 学問成就 病気平癒
大分県
宇佐神宮(うさじんぐう) 全国最多を誇る八幡神社の本拠地。全国でその四万にものぼる八幡神社の総本社。『宇佐八幡』とも呼ばれる。
この神社の特徴は、まず西の上宮、東の下宮と、本殿が二つあること。いずれの本殿も、一之御殿、二之御殿、三之御殿に分かれており、上下宮ののどちらでも、一には八幡神社、二には比売大神(ひめおおかみ)三には神巧天皇が祀られている。
また、両三御殿は、されぞれ、内院と外院に分割されており、神さまは昼間は外院に鎮座するが、夜になると内院に移動するとされる。本殿内を神さまが移動するという独自の様式は、『八幡造』と呼ばれ、石清水八幡宮(いわしみずはちまんぐう)でも見ることができる。
宇佐神宮は、神奥の発祥地としても有名。その起源は、東大寺の大仏の建立時に宇佐の八幡神がそれを祝福するため、女禰宜((にょねぎ・神職の一種)にともなわれて、はるばる奈良まで輿(こし)に乗って旅をしたことがあるという。(大分県宇佐市)
祭神 八幡大神(はちまんおおかみ・応神天皇・おおじんてんのう)比売大神(ひめおおかみ)
神功皇后(じんぐうこうごう)
ご利益 国家鎮護 家内安全 交通安全
佐賀県
唐津神社’からつじんじゃ) 製作費一億円!いっせいに市内を行進する芸術品『曳山・ひきやま』。名物は、『博多おくんち』や『長崎くんち』とともに、『日本三大くんち』と称される秋の例祭、『唐津くんち』。
そもそも『くんち』とは、九州独自のお祭りなので、『日本』でくくるのは、やや強引だが、この例祭が唐津最大の観光資源となっているのは事実で、毎年五十万人の見物客を集めている。
なかでも見ものは、『エンヤー!』の掛け声ととも町をねり歩く、十四台の『曳山』。
曳山とは獅子や龍や鳳凰をかたどった山車(だし)のこと。時価一億円以上の重量をもち、重さ二トンを超える曳山の行進風景は壮観だ。
奈良時代の唐津領主・神田宗次(こうだむねつぐ)が、夢にうながされて海岸へ行くと、神功皇后が住吉三社に捧げたという宝鏡が、沖から流れ着いた。その奇縁に神意を感じ、宗次が建立したのが、この神社の起源とされている。(佐賀県唐津市)
祭神 住吉三神(すみよしさんじん) 神田宗次(こうだむねつぐ)
水波能女神((みずはのめのかみ)
ご利益 禍事清祓 海上安全 火伏せ
熊本県
阿蘇神社(あそじんじゃ) 十二神が分散して住む、華麗なる一族の大邸宅。
『火の国』の異名を持つ熊本県。そのシンボルとも言うべき活火山阿蘇山のふもとに鎮座する、肥後国一の宮が阿蘇神社だ。全国に約五百の分社を持つ。
参道が拝殿ではなく、阿蘇山の方向へ向かうのが、まず大きな特徴。『日本三大楼門』のひとつである楼門は、神社建築にはめずらしい二重屋根で、二十一メートルの高さを誇る。ほかにも、不老長寿の水を出す『神の泉』、願いが叶う『願かけの石』、縁結びのご利益がある『高砂の松』など、見どころが盛りだくさん。
重要文化財指定の本殿は三種に分かれ、一の神殿には九州開拓を司った健磐龍命(たけいわたつのみこと)ら五柱の男神が、二の神殿には健磐龍命(たけいわたつのみこと)の妃である阿蘇都比咩命(あそつひめのみこと)ら五柱の女神が、三の神殿には、国造神と金凝神(かなこりしん)に二神が、それぞれ鎮座する。そして、合計十二社の祭神は、みな血縁でつながれた一族である。
(熊本県阿蘇市)
祭神 健磐龍命(たけいわたつのみこと) 阿蘇都比咩命(あそつひめのみこと)
ご利益 生活守護 水利灌漑(すいりかんがい) 縁結び
宮崎県
天岩戸神社(あまのいわとじんじゃ)天照大神が閉じこもった、由緒ある洞窟がご神体。
高天原(たかまがはら)で須佐之男命(すさのおのみこと)が暴れたときに、天照大神(あまてらすおおかみ)が隠れたという逸話は有名だが、その舞台となった地に建つ神社である。
近くには岩戸川という渓流が流れ、その川を挟んで東西のほとりに、ふたつの社殿がある。東本宮の祭神は、天照大神、西本宮の祭神は大日霊尊(おおひるめのみこと)。
大日霊尊とは、天照大神の異名なので、どちらも同じ神を祀っていることになる。
西本宮のご神体は、例の天岩戸だ。川岸の中腹にあり、西本宮の遙拝所(ようはいしょ)から見ることが出来る。だが、写真撮影は厳禁なので、旅行ガイドなどにも写真は載っていない。どんなようすをしているのかは、現地で見てのお楽しみだ。
川岸を上流へ少しさかのぼると、『天安河原(あめのやすかわら)』に出る。こちらは、八百万の神々が天照大神を岩戸から出す作戦をねった場所という。
(宮崎県臼杵郡・みやざきけんうすきぐん)
祭神 天照大神(あまてらすおおかみ) 大日霊尊(おおひるめのみこと)
ご利益 諸願成就 開運徐厄
鹿児島県
霧島神社(きりしまじんじゃ)もう炎上しないことを祈りたい=社殿建築の代表作。
社名にある霧島とは、鹿児島県と宮崎県の県境に連なる活火山帯の総称。その一角を占める標高千五百七十四メートルの高千穂峰は、天照大神の孫にあたる瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が、三種の神器をたずさえて高天原から降り立った地として知られる。山頂には今も、この神さまが突き立てたといわれる『天逆鉾』がある。
そのふもとに建つ霧島神社は、前述の『天孫降臨』伝説の記念碑的存在だが、火山のそばにあるだけに、幾度となく噴火被害を受けており、古代からの建築物は残っていない。
現在の社殿は、江戸中期に薩摩藩主・島津家の寄進によって建てられた、朱塗りの豪華絢爛なもので、重要文化財に指定されている。
幕末には、坂本龍馬とその妻・お龍(おりょう)が、新婚旅行でここに参拝したといわれ、広大な境内の隅には、ふたりの像が立つ。(鹿児島県霧島市)
祭神 天饞石国饞石天津(あめにぎしくににぎしあまつ)
日高彦火瓊々杵尊(ひだかこほのににぎのみこと)
ご利益 国家安泰 五穀豊穣 家内安全
奉納の起源とされるエピソードを紹介しましょう。これは、宮崎県の天岩戸神社(あまのいわとじんじゃ)に関する神話です。
天照大神が天の岩屋に隠れてしまったために、世の中は真っ暗闇になりました。困り果てた神々は、天照大神を岩屋から引っ張り出す計画をねりました。それは、『舞を舞って大騒ぎをする』というもの。騒いでいれば、天照大神は関心を抱くに違いないと考えたのでした。
このときに、天宇受売命(あめのうずめのみこと)が半裸で踊った踊りこそが、神への『奉納』の起源といわれています。その舞に歓声を上げている神々の声を聴き、天照大神はふしぎに思いました。そして、岩屋の戸を少し開けて顔を出した瞬間、戸の横に隠れていた天手力男神(あめのたじからおのかみ)に引っ張り出されてしまいます。神々の考えた通り天照大神は、舞と歓声に気をひかれたのでした。
奉納は、このあと、二つの意味を持つようになります。ひとつは神さまに喜んでもらうためのもの。もうひとつは、神さまのご機嫌をとるためのもの。
奉納の究極の目的は、『神さまにかけた願いを実現してもらう』ことです。その好例が『お田植祭』。苗を植えながら歌や踊りを奉納して、神さまに豊作を祈願するのです。
最後に何か所なの神社を紹介したが、近くにも素敵なパワースポットになっている神社やお寺や自然の場所などがたくさんあると思います。
パワースポットに優劣はありませんので、楽しんでお力をいただいてください。
散歩をするだけでも気分が変わり健康というお力が頂けて運が上がります。
そこで、ひとつの疑問ですが、一番偉い神さまって誰でしょうか?
ギリシア神話なら天空神ゼウス、北米神話なら戦と死の神オーディン。多神教の神話には、全神々の頂点に立つ最高神がいるのが通例であります。
日本神話では、太陽の女神である天照大神(あまてらすのおおかみ)が、これに該当する。女性の最高神というのは世界でも珍しいそうです。
神話によれば、天照大神は、伊邪那岐命(いざなぎのみこと)が黄泉から帰還して身を清めた際に誕生し、神々の住む地、高天原(たかまがはら)の統治を、父から託された。
有名な天岩戸伝説(あまのいわとでんせつ)は、このころの逸話であります。
弟の素戔嗚尊(すさのおのみこと)の乱暴におびえた天照大神が、天岩戸に閉じこもったとたん、世の中が闇に閉ざされ悪霊が跋扈(ばっこ)したといわれることからも、その存在の重要性がうかがわれます。
天照大神を祀る神社は18000もありますが、その総本社にあたるのが伊勢神宮です。その社格は当然、全神社中トップと目されます。
また、天照大神は、天皇家の祖神でもあるのです。天皇家が尊ばれる理由のひとつは、天照大神の御威光によるといっても過言ではないでしょう。
(神社と神さまがわかる本 神さまと神社 神社へ行こう 神社の見方 開運パワースポット お参りしたい神社百社 参照 参考)