氣の施術師だからこそわかる氣と心、健康的な人生を過ごしていくために大切なこと。少しずつお話しています。
経絡という気血の流れ 陰陽経絡

経絡という気血の流れ 陰陽経絡

 

東洋医学の重要な概念の一つに『気血』があります。『気血』とは、わかりやす<言えば、エネルギーと一般に理解されていますが、『気血』の流れる通路のことを『経絡』といい、全身に12本の特性を持った流れ、十二の経絡という正経十二経脈があります。
『経絡』とは、気・血・津液が運行する通路のことで、経穴(ツボ)が1つ1つ繋がり、身体の縦横に走っているものとも言えます。

身体を縦に走っているのを『経』、横に走っているのを『絡』といいます。
絡は経と経を繋ぐものであり、これらが結びつくと1つの網状になります。まるで、地球の経度と緯度のようです。


経絡は鍼灸学で用いられますが、薬物治療では生薬の薬性として臓腑への帰経が知られているのです。
を『経絡』といい、全身のあらゆるところに分布し、各部の間を密接に行き来することで全身の機能を維持しているのです。

12の経絡は中国に12の河があったことに由来し、365の経穴は1年の日数に他なりません。
今ほど科学が発達していない時代の仮説ではありますが、当時は自然の法則として説得力があったようです。

 

ツボ(経穴)は経絡上の要所にあり、ちょうど地下鉄が駅で地表と通じているように、体表との開□部にあたり、全身に 365の経穴が存在します。
ツボを精細に探れば、臓腑につながる経絡の変調を知ることができ、また、逆に、ツボに適切な鍼灸刺激を与えると、体の調整が可能になる治療点でもあります。

経脈と絡脈をまとめて『経絡』といい、経脈は経絡の主幹で多くが深部を一定の経路を持って循行するということです。
絡脈は経脈の分枝で縦横に交錯し網状に全身に分布しております。
経脈には正経といわれる十二経脈と奇経といわれる八経脈があり、気血は必ず正経を循行し、奇経がこれを補助します。他に別絡、孫絡、十二経別、十二経筋、十二皮部などがあります。

【十二経脈】

 

部  位

陰経(内側)    陽経(外側)

手経(上肢)
手太陰肺経←→手陽明大腸経
手厥陰心包経←→手少陽三焦経
手少陰心経←→手太陽小腸経
足経(下肢) 足太陰脾経←→足陽明胃経
足厥陰肝経←→足少陽胆経
足少陰腎経←→足太陽膀胱経

 

十二経脈は各々一つの臓腑と直接連結すると考えられていて、各経脈に属する臓又は腑の名が付いています。臓に属する経脈を陰経といい、四肢の内側を循行し、腑に属する経脈を陽経といい、四肢の外側を循行しています。さらに四肢の上肢(手)を循行するものを手経といい、前・中・後の3部位に沿って陰経・陽経が循行します。下肢(足)も同様であります。四肢の内側前部–太陰経、内側中部–厥陰経、内側後部–少陰経といい、四肢の外側前部–陽明経、外側中部–少陽経、外側後部–小腸経といい、一覧すると上表のようになります。

 

 → 手太陰肺経 手陽明大腸経 足陽明胃経

足太陰脾経


——— ———   ↓

手少陰心経

手太陽小腸経 足太陽膀胱経 足少陰腎経

——— ———   ↓
手厥陰心包経 手少陽三焦経

足少陽胆経

足厥陰肝経

——— ——— ———   ↓

 

経脈はそれぞれ一つの陽経と陰経が連結し、これを「絡す」といい、経絡の語源となりました。絡する陰経、陽経は表裏を為し規則性を以って循行します。手の三陰経は胸から手に向かって走行し手の三陽経と交わり、手の三陽経は手から頭に向かって走行し足の三陽経と交わり、足の三陽経は頭から足に向かって走行し足の三陰経と交わり、足の三陰経は足から腹に向かって走行し手の三陰経と交わります。12経脈の走行する順序は上表のようになりますが、これに督脈、任脈を加えた14経脈がよく用いられます。

【奇経八脈】

奇経八脈とは督脈、任脈、衝脈、帯脈、陰維脈、陽維脈、陰橋脈、陽橋脈をいい、12経脈の間を縦横に交錯、走行し、経脈間の連係を緊密にします。
12経脈に気血が溢れれば貯え、不足すれば補充する。肝、腎、子宮、脳などとは奇経が直接連結すると考えられています。
鍼灸にも独自の理論を展開する流派が多く、奇経を用いた治療を専門とする治療家も見受けられます。
督脈と任脈は身体の正中線付近を走行する経脈で気功やヨガではチャクラが存在するとされています。

臨床で例えると、足の主要なツボである「足の三里」に鍼をすると、胃の働きが活発になることがNHKのテレビ番組でも紹介されました。
「足の三里」という経穴は「足の陽明胃経」という経絡にあり、太古の昔から胃に関係のある経穴とされてきましたが、科学的にもそれが実証された一例です。

まさに経絡の実証、皮膚、ツボなどは情報の宝庫であると言えます。

 

もっとやさしく例えれば、経絡という気血の流れは全身をくまなく流れているのですが、どこから経絡というものは発しているのかというと体の中にある「臓腑」から発信しているものと考えられているというのが、上の説明なのです。

体の中にある臓腑が、木で例えると根っこにあたり、体の外を通っている経絡は、枝葉にあたります。
植物を育てても、枝葉の調子を見て何か元気ないなと思うことがあると、根っこの部分で問題があったりします。
水をあげないともちろん枝葉は弱っていきますし、水をあげ過ぎても根腐れし枝葉が弱ってしまうように臓腑が病むと経絡に反映します。

逆に、根っこからではなく、外気の冷えで弱ってしまう植物や熱気や乾燥、湿気などで弱ってしまう植物などもあります。
これは経絡が病むことで臓腑にも影響することを意味します。

私たちが診断で経絡を切経(せっけい・触って診ること)してますが、あれは外(経絡)を診て中(臓腑)の状態を診ているものと解釈して良いと思われます。
臓腑の状態は経絡や経穴に出ますので、触ると大体分かります。

 

人体に気を流す 陰陽経絡

考え方で陰陽道では大自然の全てのものは陰陽二気によって作られているとされております。

ゆえに人間の身体もこの二期がバランス良く結合してできていると考えられておりました。このバランスが何らかの原因で崩れていったことで病気になるとされていました。

 

人体の内蔵なども陰陽五行説にあてはめて肺は金、心臓は火、肝臓は木、腎臓は水、脾臓は土になぞられています。

人体を流れる気は生命エネルギーそのものであってこの気が流れなくなることは、死を意味します。この気の流れるルートを経絡と呼び、身体のあらゆる部分に気を送り続けるのです。

鍼、灸や気功整体でも同じく、人間の経絡を重要視して滞っている部分を血流を良くしてゆき、全身の血流を上げて流れを良くして身体の調子を整えていきます。

この経絡は体中を循環しており、一日に五〇回ぐらい循環しているとされています。

 

陰陽道による気の流れ

手太陰肺経(しゅたんいんはいけい)→手陽明大腸経(しゅようめいだいちょうけい)→足陽明胃経(そくようめいいけい)→足太陰脾経(そくたいいんひけい)→手小陰心経(しゅしよういんしんけい)→手太陽小腸経(しゅたいようしょうちょうけい)→足太陽膀胱経(そくたいようぼうこうけい)→足小陰腎経(そくしょういんじんけい)→手厥陰心包経(しゅけついんいんぼうけい)→手小陽三焦経(しゅしょうようさんしょうけい)→足小陽胆経(そくしょうようたんけい)→足厥陰肝経(そくけついんかんけい)→そしてまた手太陰肺経に戻っていくというルートです。
このように陰は臓に対応し陽は腑に対応しています。

 

心房(陰)と三焦(陽)というのは特定の臓腑を持たずに相火(そうか)といって陰陽五行の火の働きを特別に付け加えたものだと説明されているが、詳しくはわかっておりません。このルートのどこかに障害が起これば病気などになります。

 

内因『外界からの強いストレスを受けることにより七情(憂、思、喜、怒、悲、恐、驚)が引き起こす気の障害を現すものです。このような感情が適度であると良いが、あまりにも偏ると気はスムーズに流れなくなるのです。また、過度の飲食、寄生虫なども内因とされております。』

外因『六気、(風、寒、暑、湿、乾、火)など直接人体に強く作用される要因を示します。』

不内外因『房中傷(過度のセックス』、金刀傷 (刃物などの刺し傷や打撲)、虫獣傷 (獣噛まれたりした傷、蛇や害虫などが当てはまります。』

 

(大阪鍼灸協会、一鍼堂ブログ、安倍晴明 参照)

 

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